7月はB.C.州南部で山火事の危険が最大に、今年の被害はすでに観測史上2番目の規模-カナダ-

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この記事のポイント

  • 危険予測: カナダ連邦政府は、7月に山火事の危険性が最も高まるのはブリティッシュ・コロンビア(B.C.)州南部だと発表しました。また、北部のノースウェスト準州やユーコン準州でもリスクが高まります。
  • 被害規模: 今年の山火事シーズンは、すでに370万ヘクタール(※)が焼失しており、これはカナダの観測史上2番目に大きな被害です。(過去最悪だったのは2023年)
  • 平年との比較: この時期までの過去10年間の平均焼失面積は約80万ヘクタールであり、今年はすでに4.6倍以上のペースで被害が拡大しています。
  • 政府の課題: 観測史上最悪の被害から1年以上が経過しても、国としての統一的な緊急事態対応機関が設立されていないことについて、担当大臣は「選択肢を検討している」と述べるにとどまりました。

※370万ヘクタールは、日本の関東平野(約170万ha)の2倍以上に相当する広さです。

B.C.州南部で山火事の危険

カナダの公安省(Public Safety Canada)が6月下旬に発表した情報によると、今年の山火事シーズンは極めて深刻な状況です。

1. 危険が集中するカナダ西部

カナダ環境・気候変動省は、8月まで全国的に平年より気温が高い状態が続くと予測しています。特に、マニトバ州より東の地域で高温が予想されていますが、山火事の直接的な危険性は、森林地帯が広がるカナダの中部・西部で最も高いままです。

7月は特に、バンクーバーなどがあるB.C.州南部で火災の危険性がピークに達する見込みで、最大限の警戒が呼びかけられています。

2. 記録的なペースで進む被害

今年の焼失面積370万ヘクタールは、カナダ東部にあるプリンスエドワードアイランド州の面積の6倍にもなります。昨年(2023年)が観測史上最悪のシーズンでしたが、今年もそれに次ぐペースで被害が広がっており、非常に厳しい夏になることが予想されます。

3. 問われる政府の対応

記者会見では、緊急事態管理を担当する大臣に対し、「なぜ観測史上最悪の山火事を経験したのに、国レベルの緊急対応機関がまだないのか」という厳しい質問が投げかけられました。これに対し、大臣は具体的な進展を示すことができず、政府の対応の遅れが課題として浮き彫りになっています。

まとめ

今年のカナダの山火事がすでに異常な規模に達していること、そして7月にはB.C.州南部を中心に危険性がさらに高まるという、強い警告です。カナダ、特に西部に在住の方や、この夏に旅行を計画している方は、現地の最新情報に常に注意し、火の取り扱いにはくれぐれも気をつけてください。

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