絶景か、緊張か。G7サミットとその舞台裏、石破首相とトランプ大統領の駆け引き


G7サミット
2025年のG7サミット(第51回先進国首脳会議)は、カナダが議長国となり、国内で開催されることが決定しています。
- 【開催期間】 2025年6月15日から17日
- 【ホスト国】 カナダ(議長:マーク・カーニー首相)
- 【開催地】 アルバータ州 カナナスキス(Kananaskis)
- 【公式ホームページ】https://g7.canada.ca/en


【公式ロゴ】カナディアン・ロッキーの山々と日の出(または日の入り)をモチーフにしたデザインです。カナダの象徴であるカエデの葉が中央に配置され、壮大な自然とG7の協力を象徴しています。
開催地「カナナスキス」
2025年のG7サミット開催地として脚光を浴びるカナナスキスは、カナダ・アルバータ州に位置する、カナディアン・ロッキーの麓に広がる壮大な山岳リゾート地です。特定の都市や町を指すのではなく、広大な州立公園群全体を「カナナスキス・カントリー」と呼びます。
大都市カルガリーから西へ車でわずか1時間ほどの距離にありながら、そこは険しい山々やターコイズブルーに輝く湖、深い森が織りなす、手つかずの大自然が広がる別世界です。グリズリーベアやヘラジカといった野生動物の宝庫でもあり、カナダの原風景そのものを体現しています。
この雄大な自然は、訪れる人々に多彩な楽しみを提供します。夏はハイキングやゴルフ、冬はスキーと、一年を通してアウトドア活動の聖地として賑わう一方、自然の中に溶け込むように佇む最高級のロッジでは、心身を癒すスパや美食を堪能することもできます。
実は、カナダがカナナスキスでG7(当時はG8)サミットを主催するのはこれが2回目です。前回は2002年に開催されました。この時はアメリカ同時多発テロ(9.11)の直後ということもあり、セキュリティが最優先され、この場所が選ばれました。山々に囲まれアクセスが限られる地理的条件は、世界トップレベルの厳重な警備体制を敷くことを可能にします。一度成功させている実績があるため、運営面での信頼性も抜群です。
日本の参加表明と日米交渉
林官房長官が、13日の記者会見で、石破総理大臣が、15日から4日間の日程でカナダを訪れ、G7サミット=主要7か国首脳会議に出席すると発表しました。アジア唯一のメンバーとしての参加となります。
また石破総理大臣は13日夜、アメリカのトランプ大統領と電話会談し、カナダで開かれるG7サミットの場で、対面での日米首脳会談を行うことで一致しました。
この会談は、アメリカによる関税措置の問題を解決することが主な目的です。電話の中で石破総理は、関税の見直しを求めるとともに、日本の投資拡大などがアメリカの貿易赤字削減に貢献する考えを伝えました。両首脳は、サミットでの会談に向けて閣僚級の交渉を加速させることも確認しており、双方に利益となる合意が得られるかが焦点となります。
また、会談では中東情勢についても意見が交わされ、両首脳は今後も緊密に連携していくことで合意しました。